
SNSだとよく見るけど、茶トラの野良って少ない気がする。
その違和感、実はちゃんとした”理由”があるんです。
茶トラ猫に関する情報を一つ一つ繋ぎ合わせると、「茶トラの野良猫が少なく感じる」理由が見えてきます。
- 都市部では猫の密度が高い
- 茶トラのメスは珍しい。(オスが多い)
- 茶トラのオスは「活動性」「攻撃性」が高い傾向がある。
- (都市部)オスの茶トラが恋愛を成就させる前に、他のオスの排除に気が向いてしまう。
- 茶トラの子が生まれる確率が下がる。
今回ご紹介する猫の知識を身につけた上で、野良猫たちの様子を観察してみてください。今まで気づけなかった新たな発見があるかもしれません。


〈プロフィール〉
- 猫の飼育歴:6年目
- 迷い猫「くぅ」、保護猫「みり」と生活中
- 猫との遊びを充実させるアイテムを模索中
- キャトログを使い続けて【16ヶ月目】
茶トラの野良猫は少ない?考えられる3つの理由
SNSには茶トラ猫の写真や動画が数多く投稿されており、人気の毛色の一つです。
アイリスプラザが行った『猫の国勢調査2019』でも、茶トラは飼い猫の毛色ランキング3位に入っています。
参考:猫の国勢調査2019 結果発表! | アイリスプラザ_メディア



でも、茶トラの野良猫はあまり見かけないよね。
野良猫に茶トラが少ない理由を3つの視点からまとめてみました。
- 茶トラのメスは珍しい
- 活動性が高い茶トラの性格
- 茶トラは都市部に少ない毛色
茶トラのメスは珍しい
猫たちの毛色は、主に9種類の遺伝子の組み合わせによって決定されています。その中で、毛をオレンジ色(茶)にするのがO遺伝子です。


メスは大文字のO遺伝子が2つ必要なのに対して、オスでは1つあれば茶トラになります。そのため、茶トラ猫のうち80%がオスだといわれています。


活動性が高い茶トラの性格
猫の性格を調べた調査では、茶トラは「活動性」「攻撃性」といった項目が高いとされています。
CAMP-NYANの調査でも、茶トラの性格はとてもはっきりしていて、攻撃性と愛着性が全毛色の中、最も高く1位、活動性と社交性の高さが2位でした。
引用:猫は毛色と模様で性格がわかる? 監修 荒堀みのり 村山美穂 株式会社エクスナレッジ



茶トラの性格がどう影響しているの?
その理由は、次にご紹介する「都市部と田舎を比較した調査」と「茶トラの性格」を組みあわせることで見えてきます。


茶トラは都市部に少ない毛色
野良猫たちの恋愛事情は「都市部」と「田舎」で少し異なります。
都市部では人が食糧を与えたり食べ残しを漁ったりして野良猫の数が一気に増えます。食糧を得るための縄張りを死守する必要はなくなり、オスもメスも複数いる状態になります。すると都市部では一夫多妻制ではなく、乱婚制になります。
引用:教養としての猫 思わず人に話したくなる猫知識151 富田園子著
このように「食糧問題」と「縄張り問題」が影響することで、田舎の野良猫たちは一夫多妻制のシステムとなるのです。
- 都市部(乱婚制)
- 田舎(一夫多妻制)
フランスの都市部と田舎において、茶トラの割合を比較した研究があります。この調査では「茶トラの割合は都市部(乱婚制)よりも田舎(一夫多妻制)の方が多かった」という結果が出ています。
参考:Evidence of Selection on the Orange Allele in the Domestic Cat Felis catus: the Role of Social Structure



なんで都会だと茶トラは少ないんだろう?
茶トラの性格は「攻撃性」「活動性」が高いため、縄張りの確保が重要になる田舎において有利に働くといわれています。
茶トラのオスはほかのオスがいる状況が許せず、排除しようとやっきになっているあいだにほかのオスが交尾に成功しているのではないかといわれているのです。
引用:教養としての猫 思わず人に話したくなる猫知識151 富田園子著
田舎では積極性なオス猫がモテますが、都会では他のオスが多すぎて気が散ってしまい、恋愛に失敗してしまうこともあるようです。
茶トラ猫についてよくある質問


茶トラって、昔から日本にいたの?
鎌倉時代までの絵画で確認できるのは、「黒」「白黒」「キジトラ」の3種類だけ。「茶トラ」が日本の絵画に登場したのは、安土桃山時代。
参考:猫のヒミツ 猫好き一家の猫まみれライフで学ぶ”猫トリビア” ねこまき著 服部 幸監修 株式会社KADOKAWA
茶トラ猫って、どうして大きい子が多いの?
SNSで茶トラの画像を検索すると、体の大きい子が多いことに気づくと思います。茶トラ猫に大柄な子が多い理由は2つあります。
- 茶トラはオスが多い
- 茶トラは食いしん坊が多い
茶トラ猫の性格に傾向はある?
茶トラ猫の飼い主さんの口コミをまとめると、以下のような傾向があります。
- 呑気
- 甘えん坊
- やさしい
- マイペースで穏やか
- やんちゃ
茶トラは活発で、甘えん坊の子が多い傾向があるようです。
野良の茶トラが少ない理由ーまとめー
これまでの情報をまとめてみます。
- 茶トラのメスは珍しい
- 「活動性」が高い茶トラの性格
- 茶トラは都市部に少ない毛色
この3つのポイントを組み合わせると「なぜ茶トラの野良猫は少ないのか?」がより鮮明になってきます。
- 都市部では猫の密度が高い
- 茶トラのメスは珍しい。(オスが多い)
- 茶トラのオスは「活動性」「攻撃性」が高い傾向がある。
- (都市部)オスの茶トラが恋愛を成就させる前に、他のオスの排除に気が向いてしまう。
- 茶トラの子が生まれる確率が下がる。
また、”茶トラの人懐っこい性格”も捕獲や保護されやい要因となり、野良猫が少ないことに影響しているのではないでしょうか。
このように様々な要因が絡み合うことで、「茶トラの野良猫は少なくなる」と考えられます。