猫たちの抜け毛が気になる季節、毎日のブラッシングが少し手間に感じることもありますよね。
いくらブラシをかけても、抜け毛が減らない…。
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
換毛期に入ると抜け毛が増えてしまうため、どうしてもブラッシングを普段より多く行う必要があります。
この記事を読めば「きりがないけど、いつまでブラシをやれば良いの?」といった疑問に対するヒントが見つかります。
猫のストレスが少ないブラッシング方法を続けることで、抜け毛の管理がぐっと楽になります。換毛期の抜け毛は避けられませんが、上手に付き合って乗り切っていきましょう。
〈プロフィール〉
- 猫の飼育歴:5年目
- 迷い猫の「くぅ」、保護猫の「みり」と生活中
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猫の抜け毛が止まらない原因
ブラッシングって、どのくらいやれば良いの?
これらの疑問を解消するために、まずは猫の抜け毛が増えてしまう原因を探っていきましょう!
猫の換毛期と季節の影響
季節ごとの換毛パターン
猫の毛は1年中生え変わっていて、季節に応じて被毛を調節しています。春には冬毛から夏毛に、秋にはその逆の換毛(換毛期)が起こります。
この時期には通常の3~4倍の毛が抜けることもあるため、特に「抜け毛が多いな…」と感じます。
換毛期の特徴と対策
換毛期の猫たちは通常よりも抜け毛の量が増えるため、いつもよりブラッシングの頻度を増やしていくことを心がけましょう。
長毛種の場合、さらに1日2回のブラッシングを目安に行っていきます。コンディショニング効果のあるグルーミングスプレーを併用すると、抜け毛の管理がより効果的になります。
- 短毛種:1日1回毎日ブラッシング(通常時は週に2~3回)
- 長毛種:1日2回のブラッシング(通常時は1日1回)
栄養不足や健康状態をチェック
栄養バランスの重要性
被毛の状態は猫の健康を反映しています。被毛は主にタンパク質で構成されており、栄養が不足すると毛の状態が変化します。
特にオメガ3脂肪酸や高品質のタンパク質が不足していると、毛艶が悪くなり、抜け毛が増えることがあります。またビタミンやミネラルが不足すると、毛根が弱くなり、毛が抜けやすくなることもあります。
健康状態が抜け毛に与える影響
猫の健康状態も抜け毛に大きく影響を与える要因の一つです。アレルギーや皮膚炎、ホルモンバランスの乱れなどで毛が抜けることがあります。
以下のサインが見られる場合には、獣医さんに相談しましょう。
- フケが多い
- 毛がまだらに抜ける
- 皮膚が赤く炎症を起こしている
ストレスや環境の変化が与える影響
ストレスが抜け毛に与える影響
猫はストレスに対してとても敏感な動物です。ストレスが原因で過剰な毛づくろいをしてしまい、毛が抜けやすくなることがあります。
- 室内環境の変化
- 騒音や大きな音
- 飼い主さんとのコミュニーケーション不足
- 運動不足
安心して休めるスペースを確保したり、積極的に遊ぶ時間を作ってあげるなど、コミュニケーションをとることが猫たちのストレス解消になります。
ブラッシングをやめるタイミング
猫のブラッシング時間の目安は?
我が家の猫の場合は、2〜3分程度を目安にブラッシングしています。ブラッシングを嫌がらない様子であれば、少し長めに行うこともあります。
「みり」はブラシをしてほしい場所を指示してくれます
ブラシを好きになってくれればブラッシング時間を長めに行うことも可能ですが、やりすぎは禁物です。
猫はブラッシングしてほしくない部分がはっきりしています。猫が嫌がる場所はブラッシングしない(部位別のポイント)を参考にしてみてください。
猫の疲労サインの見分け方
ブラッシングの最中に猫が尻尾を振ったり、耳を後ろに倒したり、逃げようとするなどのサインは疲労やブラシに対する不快感を表しています。
ブラッシング中にこれらのしぐさを見かけたら、ブラシを中断しましょう。
猫の種類やブラッシングの目的でブラシを使い分ける
猫がブラッシングを嫌がる理由の一つに、使用するブラシが合わない場合があります。短毛種にはラバーブラシや手袋タイプ、長毛種にはスリッカーブラシやピンブラシがおすすめです。
また「日常的に使用するブラシ」と「抜け毛を取り除くためのブラシ」を使い分けることもポイントです。
日常的に使用するブラシは猫が嫌がらない、かつ抜け毛がある程度取れるものを選びましょう。
我が家では「ペットティーザー」を使用しています。
同じ形状のブラシでも商品によって抜け毛の取れやすさが異なります。ペットティザーは柔軟性のある特殊素材で出来ているため、最初に使うブラシとしておすすめです。
一方で、抜け毛を取り除くためのブラシとしては、ファーミネーターが有名です。ファーミネーターの公式サイトで使用頻度の目安を週1回としています。そのため、日常的に使用するブラシとしては不向きです。
猫が嫌がらないブラッシングのコツ
日々のブラッシングを行っていくには、猫たちに「ブラシは怖くない!」「ブラッシングされると気持ち良い!」と思ってもらうことが重要です。
猫がブラッシングを嫌いにならないように、以下のポイントに気をつけていきましょう。
- ブラッシングするタイミングを考える
- ブラッシングはできるだけ短時間で行う
- 優しくなでるようにブラッシング
- 猫が嫌がる場所はブラッシングしない
- ブラッシングした後に褒める
ブラッシングするタイミングを考える
猫がブラッシングを嫌がるようになる最大の原因は、突然ブラッシングされることによるストレスです。ブラッシングをする場合は、タイミングが重要です。
猫たちがリラックスしているタイミング(例えば食後や遊んだ後、日向ぼっこ中など)を選びましょう。警戒心が薄れている時間であれば、ブラッシングを受け入れやすくなります。また、活発に動き回っている時間帯や寝起きすぐは避けるのがポイントです。
ブラッシングはできるだけ短時間で行う
ブラッシングに慣れていない場合は、短時間から始めましょう。最初は1分程度で終わらせ、「これなら大丈夫」と思ってもらうことが大切です。
「どんどん抜け毛が取れるから…」と最初から長時間のブラッシングをしてしまうと猫は嫌がってしまい、次回以降のブラッシングが難しくなります。特に長毛種の場合は、毛玉予防のためにもブラシの習慣化が重要です。
優しく撫でるようにブラッシング
ブラッシングは猫にとって撫でられるような心地よさが理想的です。力を入れすぎないようにし、毛並みに沿って優しくブラシを動かします。
ブラシが猫の皮膚に負担をかけないよう、柔らかい素材のブラシを選びこともポイントです。
猫が嫌がる場所はブラッシングしない(部位別のポイント)
頭や首のケアポイント
多くの猫は頭や首周りのブラッシングが好きです。毛流れに沿って、優しく小刻みにブラシを動かすと気持ちよさを感じてくれます。
特に耳の後ろやアゴの下は毛が密集しやすいので丁寧に行います。頭や首のブラッシングで猫がリラックスしてくれる場合、全身のブラッシングへの移行がスムーズです。
背中やお腹の効果的なブラッシング
背中は毛が密集しているため、全体的を一定のリズムで優しくブラッシングします。特に長毛種では、絡みやすい毛を整えるためにゆっくりと動かすのがポイントです。
一方、猫のお腹は敏感なので、嫌がる場合は無理をせず短時間で済ませましょう。お腹のブラッシングを行う場合、まず猫をリラックスさせて信頼関係を築くことが大切です。
尾や足の注意すべきポイント
尾は絡まりやすく、皮膚が薄い部分なので、優しく解きほぐすように行います。足周りのブラシは嫌がることが多いので、短時間で行いましょう。嫌がる場合は無理しないことが重要です。
尾は毛流れに沿って、ゆっくりと優しくブラッシングします。ブラシを使わず、濡らした手でなでる方法も効果的です。
ブラッシングした後に褒める
ブラッシング後におやつをあげたり、声かけをして猫を褒めてあげるのがおすすめです。ブラッシングに慣れていなかったり、緊張してしまう猫の場合はぜひ取り入れてみてください。
猫がブラッシングを良い体験として記憶してくれることで、次回以降のブラシが行いやすくなります。
ブラッシングを嫌なものだと感じた猫は、ブラシを見ただけで逃げたり抵抗したりするようになってしまうので、ブラシ後のケアも重要です。
猫のシャンプー、お風呂は必要?
短毛種の場合
シャンプーをしてあげれば、抜け毛も取れるんじゃない?!
短毛種の猫であれば日々のブラッシングと毛づくろいで十分に被毛を清潔な状態に保てるため、基本的にお風呂は必要ありません。濡れることを嫌がる猫もいるので、無理にシャンプーをすることはおすすめしません。
汚れが気になるときは蒸しタオルなどで軽く拭いてあげましょう。
長毛種の場合
長毛種の猫は毛が絡まりやすく、汚れや皮脂が蓄積しやすいため、3カ月に1回程度のタイミングでシャンプーが必要となります。
シャンプー前にはしっかりブラッシングして、抜け毛や毛玉を取り除くことが重要です。猫専用の低刺激シャンプーを使用して、すすぎ残しがないように注意しましょう。
シャンプー後はバスタオルでよく拭き、ドライヤーを利用してしっかり乾かします。ドライヤーの音を嫌がる猫も多いので、慣れないうちは風量を加減して行いましょう。
まとめ
換毛期には、どんどん出てくる抜け毛に対して「ブラッシングをいくらやっても、きりがないな…」と感じてしまうこともあります。
しかし、抜け毛をとるために無理やりなブラッシングや力をいれてしまうと、逆効果になってします。猫の抜け毛と上手に付き合うためには「ブラッシングを習慣化させること」、そして「目的に合わせてブラシを選ぶこと」が重要です。
猫とコミュニケーションをとりながら、日々のお世話の中にブラッシングを上手に取り入れていきましょう。