
水をしっかり飲んでいるのか、今まであまり気にしてなかった…。
猫は元々あまり水を飲まない動物ですが、それでも飲水量が少ない場合には腎臓への負担が心配になります。特に一人暮らしや仕事で留守がちな飼い主さんにとっては、「水を飲んだかどうか」を確認すること自体がむずかしいですよね。
猫の飲水量は見落とされがちですが、体調の変化をいち早くキャッチするためには、日常的な確認が欠かせません。
この記事では、「猫が水を飲んでいるかどうか」を自宅で確認するための5つの方法を紹介します。 目視でできる確認方法から、尿量のチェック、脱水サインの見分け方まで、今の状況に合わせて選べる実践的な方法をまとめました。

「飲んでるかどうか、なんとなく不安…」という気持ちを「これなら確認できそう」に変えることで、 日々の見守りに自信が持てるようになるはずです。

〈プロフィール〉
- 猫の飼育歴:6年目
- 迷い猫の「くぅ」、保護猫の「みり」と生活中
- 猫と暮らすヒントをご紹介
- 猫たちとの遊びを充実させるためのアイテムを模索中
- Catlog(キャトログ)を使い続けて【11ヶ月目】

猫の水分補給、どうやって確認する?|3つのアプローチ方法

うちの猫、水をちゃんと飲めてるかな?
猫がきちんと水を飲んでいるかは、見た目だけだと判断が難しいですよね。とくに一人暮らしの飼い主さんは日中の猫の行動を見守ることができないため、「ちゃんと飲めてるのかな…」という不安を抱えている方も多いかと思います。
猫の水分補給を確認する方法は、大きく分けて次の3つです:
- 水を飲んだか確認する方法(飲水量の確認)
- おしっこを確認する方法(尿量の確認)
- 体の変化を確認する方法(脱水の確認)
どの方法にもメリット・デメリットがありますが、状況に応じて組み合わせてみましょう。
猫の飲水量の2つの確認方法
猫が水分補給できているかを知るには、まず「どのくらいの水分量を飲んでいるか?」をチェックしていきましょう。
一人暮らしの飼い主さんにとっては、家を空けている時間が長く、直接見ていない間に猫が水を飲んだか判断できないことがほとんどです。
ここでは、飲水量の変化をできるだけ簡単に確認できる方法を2つご紹介します。
入れた水と戻した水の量を比べる
1日にどのくらい水を飲んでいるかを具体的に知りたいときは、「入れた水の量と戻した量を比べる方法」がわかりやすくて確実です。
やり方はとてもシンプルです。朝水皿に入れる水の量をあらかじめ測っておき、夜に残った水を別容器に移して再び測るだけ。差分が、その日の飲水量のおおよその目安になります。
- 朝、水を計量カップなどで測って器に入れる
- 夜、残った水を別の容器に移し、再度測る
- 入れた量から残った量を引けば、その日の飲水量が推測できる
注意点としては、器の周りに水がこぼれていないかチェックすることです。とくに夏場は蒸発量が多くなりやすいので、数日間の平均を見る方が精度は上がります。
- ml単位で飲水量を具体的に把握できる
- 手軽にすぐ始められる
- 「水飲んでいないかも…」という不安を数字で判断できる
- 毎回測る手間がある
- 複数の水皿があると管理が大変
- 蒸発やこぼれた場合に誤差が出やすい

どのくらいの水を飲んでいれば良いの?
猫は砂漠に住む動物で一般にはあまり水を飲まないとされており、理想的な1日の飲水量は体重1kgあたり30〜50ml程度です。
引用:猫が水を飲まない|猫のよくあるご相談|猫と暮らすお役立ち情報|ニャンとも清潔トイレ|エステー株式会社
体重ごとに計算すると、以下のような数値が飲水量のおおよその目安になります。
猫の体重 | 一日の飲水量の目安 |
---|---|
3kg | 90~150ml |
4kg | 120〜200ml |
5kg | 150〜250ml |
6kg | 180〜300ml |
※これらの数値はあくまで目安です。猫たちの状態や環境によっても必要な水分量は異なってきます。
普段のご飯にウェットフードを食べている猫たちは、ウェットフードからも水分を摂取しています。一方でドライフードを主食にしている猫たちは、必要な水分量を飲水によって摂取しています。飲水量の目安は普段ドライフードのみで過ごしている猫たちの目安です。
メモリ付き水皿で水位の変化を見る

水の量を毎回測るのって大変だね…。
猫たちの飲水量チェックは継続していくことが重要になります。「入れた水と戻した水の量を比べる」方法は正確な飲水量が分かりますが、継続していくとなると少し大変です。
ひとまず飲水量をざっくり把握したいときは、メモリ付きの水皿を使う方法がおすすめです。
毎回水を入れたときの高さを意識するのは難しいですが、水皿自体に目盛りがあれば、減った量がひと目でわかります。特に一人暮らしの飼い主さんには、日々の変化を見逃さないための強い味方になります。
- 水面の変化が視覚的にわかる
- 印をつける必要がなく、衛生的
- 継続しやすく、習慣化しやすい
- 目盛りが細かくない場合、正確なmlまではわからない
- 器のデザインが限られる(好みが分かれる)
- 複数の水皿があると、管理がやや複雑になる
「飲んでるかどうか見えるようにしたいけど、なるだけ簡単にチェックしたい」という飼い主さんには、この方法がとてもおすすめです。特別な道具も要らず、水皿を置き換えるだけで手間なく飲水チェックがスタートできます。

猫の尿量の2つの確認方法

飲水量はチェックできているけど、これだけで大丈夫かな?
飲水量をチェックするだけでは、猫の体調のすべてを把握することはできません。 もっとしっかりと健康を見守りたいとき、注目したいのが“尿量のチェック”です。
猫は不調を隠す生き物です。体の内側で起きている変化には、尿量や回数といった小さなサインが表れることがあります。
尿量のチェックは手間やコストがかかりますが、それでも「大切な家族の変化に一歩早く気づくきっかけ」になるの、その価値は十分にあります。
トイレの尿量や回数を直接観察する
最も手軽で、すぐに始められるのがこの方法です。トイレの種類によって、尿量の確認方法は異なります。
- ペットシートを引かずに、猫がおしっこをするのを待ちます
- おしっこをしたら、受け皿のおしっこを計量カップに移して、量を測定する
- 猫がおしっこするのを待ちます
- おしっこしたら、猫砂の大きさを観察します
- 50mlのおしっこだと、おおよそ7cm程の塊になります
システムトイレと比べると、ノーマルトイレは尿量を計測しにくい構造になっています。尿量をチェックするのであれば、システムトイレの方がおすすめです。

尿量って、どのくらいが目安なの?
一例として体重5.0kgの猫のオシッコ一日量の目安は50〜150ccです。(参考:猫のオシッコ(尿)チェックの方法|猫の泌尿器ケア研究会|エステー株式会社)
猫のオシッコの1日量の目安はエステーの公式サイトに記載されているので、参考にしてみてください。
次に尿の回数をチェックするようにしましょう。システムトイレであれば「ペットシートの尿の跡」、ノーマルトイレであれば「猫砂の塊の数」でチェックできます。

記録していくのが大変そうだね
これらの方法を継続的にチェックするのが難しいケースもあると思います。まずは1ヶ月に1回と頻度を決めて記録してみましょう。
Catlog Board2で尿量をml単位で記録する

より正確に、数字で体調管理をしたいなら、Catlog Board2のようなスマートトイレがおすすめです。猫がトイレに入ったときの重さの変化から、排尿量をml単位で自動記録してくれるため、日々の変化をグラフで見られます。
「昨日より尿量が少ない」「明らかにトイレの回数増えている」といった変化が一目瞭然」です。また「トイレに入ったけど、おしっこやうんちをしていない」または「トイレするのに時間がかかっている」ということもわかります。

「おしっこするのに時間がかかってる」って、そんなに大事な情報なの?
この情報めちゃくちゃ重要です。「おしっこするのに時間がかかっている」ということは、排尿にトラブルを抱えている可能性が疑われるからです。
このようにおしっこの量だけでなく、「スムーズにおしっこできている?」かを知るにはCatlog Board2などのデバイスの助けが不可欠になってきます。
- 「見た目」だけでは判断できない変化を数字で自動記録
- 多頭飼育でもそれぞれの猫のデータが把握できる
- 通院時にデータを見せて相談できる
- 留守中でも健康状態を見守れる
- 初期費用と月額費用が必要
- 測定数値に誤差がでることがある
- WI-FI環境が必要になる
「見た目ではわからない不調を、先に気づけるようにしたい」 そんな気持ちに応えてくれるのが、尿量の“見える化”という選択肢です。

飲んでないかも…と思ったら|脱水サインをチェック
飲水量も尿量も確認してみてるけど、「それでもなんだか心配…」。そんなときは、目の前の愛猫の体調をチェックできる”脱水サイン”に注目してみてください。
脱水の初期サインは、皮膚や歯ぐきといった見た目や触感にあらわれます。皮膚の張りをみるツゴール反応は、簡単にできるチェック方法なのでぜひ試してみてください。
皮膚の張りを見る(ツルゴール反応)
猫の肩甲骨あたりの皮膚を優しくつまんで持ち上げ、離してみてください。 通常ならすぐに皮膚が元の位置に戻りますが、戻るのが遅い場合は体内の水分が不足しているサインです。
- 判断目安:正常ならすぐ(1秒以内)に戻る
- 皮膚がゆっくり戻る・たるんだまま → 軽度〜中度の脱水を疑う
注意点:強くつままない・長時間行わないよう注意。老猫や痩せた猫は皮膚が戻りにくくなることがあるため、このチェックだけに頼らないようにしましょう。
実際に猫の脱水をチェックする様子を動画で見ておきたい方には、以下のYouTube動画がおすすめです。 「やり方が合っているか不安…」という方は、一度この動画で手順を確認しておくと安心です。
もしも不安なときは…
脱水のチェックはあくまで目安であり、診断ではありません。 脱水が疑われるときや、猫の元気が明らかにない場合は、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
また、脱水は隠れた病気のサインであることも少なくありません。「様子を見よう」と迷う時間を減らすことが、命を守る第一歩になることもあります。
迷ったらこれを参考に|あなたと愛猫に合ったチェック方法を選ぼう
猫が飲んだ水の量をチェックするのは猫の飲水チェックに完璧な方法はありません。でも、「これならできそう」と思えるものを1つ選んでみてください。どんな方法でも良いので、始めてみるのが重要です。

まとめ|「飲んでないかも」の不安は、小さな確認から解消できます
猫が水を飲んでいるかどうかは、毎日猫と接していても意外とわかりにくいものです。 けれど、水分補給は猫の健康を守るうえでとても大切なポイント。
もし「水あんまり飲んでないかも…」という不安があれば、今日からできる確認方法を選んで見守ってあげることができます。
まずは一番始めやすいメモリ付きの食器や飲み水の量の変化を見る方法から始めてみましょう。
道具がなくても始められることはたくさんありますし、データでしっかり見守りたい方にはCatlog Board2のようなツールも心強い味方になります。 そして、どんなときも「いつもと違う」と感じたなら、その感覚こそが一番のサインです。
“なんとなく不安”をそのままにせず、今日からできる小さな確認で、猫との暮らしをもっと安心なものにしていきましょう。