1匹で生活しているから、遊び相手がいた方が良いかな?
猫に囲まれた生活をしてみたいな!
猫をすでに飼われてる方の中には、新たにもう1匹の猫を迎え入れようと検討している方も多いかと思います。しかし、猫を多頭飼いする場合には十分な準備が必要です。
特に1人暮らしで猫を飼われている方は日中のお世話が困難なため、より難易度が上がります。安易に猫を増やすと、飼い主さんの負担が大きく増え、後悔の元になる可能性も。
この記事では、猫の多頭飼いを成功させるために把握しておきたい注意点について紹介していきます。
- 子猫が増えてしまう
- 猫同士のケンカが増える
- 金銭的な負担が増え、居住スペースが減る
- 食事の管理が大変になる
- 夜の運動会の頻度が増える
やっぱり1匹で飼っておいた方が良かった…。
なによりも優先すべきは、先住猫が幸せに暮らせるかです。猫が増えることで、先住猫にも少なからずストレスがかかることは、認識しておく必要があります。
〈プロフィール〉
- 猫の飼育歴:5年目
- 迷い猫の「くぅ」、保護猫の「みり」と生活中
- 猫と暮らすためのヒントをご紹介
- 猫たちとの遊びを充実させるためのアイテムを模索中
猫の多頭飼いの実態
準備不足の状態で2匹目の猫を迎えると、飼い主さんには思いもよらぬ負担や後悔をもたらす可能性があります。
2020年、大和ハウス工業株式会社が猫の多頭飼いをしている飼い主さん(169件)にアンケートを実施。「〈猫多頭飼い〉一緒に世話をする上で苦労する点はありますか?(複数回答可)」という質問に対して、いづれかの多頭飼いのトラブルがあるとの回答は60%にも上りました。
トラブルの内訳として
- ケンカorいじめがある
- エサの横取りがある
- 場所の取り合いがある
- 飼い主の取り合いになる
といったものが選ばれています。
参照元:犬や猫を多頭飼いしているおうちの日常とは?多頭飼いにおけるペット同士の関係性や、住環境でのお悩みに関するアンケート
猫を飼うなら1匹でも2匹でもそんなに変わらないよね。
しかし、新たに迎えいれる猫と先住猫のそれぞれをケアしていくのは簡単ではありません。多頭飼いに関わるトラブルは事前に把握しておきましょう。
猫の多頭飼いを成功させるため把握したい5つの注意点
猫の多頭飼いを始める際には様々な準備が必要です。そして飼い主さんにはこれまでと違った負担がかかることを、あらかじめ理解しておきましょう。
- 子猫が増えてしまう
- 猫同士のケンカが増える
- 金銭的な負担が増え、居住スペースが減る
- 食事やトイレの管理が大変になる
- 夜の運動会の頻度が増える
子猫が増えてしまう
猫は1回の出産で複数匹の子猫を産みます。不妊去勢手術をしていない場合、あっという間に子猫の数が増えてしまう可能性も考えておく必要があります。多頭飼育を検討する場合には、不妊去勢手術は必須です。
先住猫の不妊・去勢手術をする場合は生後6ヶ月ころを目安に実施しましょう。
手術をするのはちょっとかわいそう…。
手術を行うことに迷いがあるようであれば、多頭飼育はおすすめしません。
どのような性別の組み合わせでも、先住猫の避妊・去勢手術を検討する必要がある。
猫同士のケンカが増える
先住猫が他の猫に対して警戒心が強すぎたり、オス猫同士の組み合わせであったりすると、縄張りを争いが起きる可能性が高くなります。
特に不妊去勢手術をしていない猫の場合、縄張りを守ろうとする意識が強いため、スプレー行動や壁への爪とぎなど縄張りを主張する行動が増えることが予想されます。
これらの行動は猫同士のトラブルだけでなく、飼い主さんの負担を一気に増加させてしまう点が問題です。相性が良くない組み合わせには、以下のようなものがあります。
- 高齢猫と子猫
- オスの成猫同士
先住猫の性格が穏やかで他の猫を受け入れられるか、猫同士の相性は良いか、トラブルの可能性が高くなる組み合わせ(性別や年齢)でないか、といった点を考える。
金銭的な負担が増える
猫が増えることで飼い主さんに直接のしかかるのは、金銭的な負担の増加です。
- 食器やキャリーケース、ケージなどの出費がかかる
- 必要なフードの量が増える
- トイレを増やし、猫砂の消費量が増える
- 多頭飼いに対応できるキャットタワーが必要
- 必要なおもちゃの数が増える
- ワクチン接種や健康診断などの医療費が増える
少なくとも、これだけの費用面での負担がかかります。
お金がないから、先住猫のものを使いまわせば良いかな。
共有できるアイテムもありますが、新たに買い揃えなければならないものが多いこともしっかり認識しておきましょう。
新しく猫を受けいる際に追加で必要なものをリスト化しておく、費用面でどのくらい負担が増えるか考えておく。
食事の管理が大変になる
猫が増えることで、食事の管理が一気に複雑になります。先住猫の食べていたフードを新入り猫が素直に食べてくれるとは限りません。また、年齢が大きく異なる猫同士の場合はフードを使いわける必要もあります。
猫の食事問題としては、早食いや横取りが挙げられます。我が家の猫「くぅ」はご飯を横取りされないように、早食いしてしまうことが増えました。結果として、フードの吐き戻しが増え、2匹同士が見えないように離して食事させていたことがあります。
- それぞれの猫に合ったフードを見つける
- フードの横取り、早食い
- (留守番時など)自動給餌器を増やす必要性がある
- 食事を別々の場所で行う
- 早食いに伴う吐き戻し
それぞれの猫に合った食事管理、お互いが邪魔をせず食事できる環境が必要になる。
夜の運動会の頻度が増える
夜の運動会は日中溜まった猫たちのエネルギーがうまく発散できないことで起こりやすくなります。解決方法として寝る前に猫としっかり遊び、ストレスを発散させることが重要です。
多頭飼育になることで、どちらか一方が十分に遊べず、エネルギーが発散されないという状況が起こりやすくなります。片方が夜運動会を始めてしまうと、もう一方もつられて大騒ぎになってしまうことも多いです。
これまで以上に猫たちの遊び時間を確保し、猫それぞれの好きな遊び方やおもちゃを探す必要がある。
多頭飼いをするために必要な準備
猫をもう1匹増やしたいと思った飼い主さんがすべきことは、現在の状況の確認です。以下のポイントを確認しておきましょう。
- 先住猫の不妊・去勢手術は実施しているか?
- 先住猫は他の猫を受け入れられる性格か?
- 現在の住居スペースで猫を増やす余裕があるか?
- 猫を増やす経済的な余裕があるか?
これらの項目を事前に確認しておくことで、後悔することなく複数の猫との楽しい生活を送ることができるようになります。
猫の多頭飼いに詳しい手順や猫同士を仲良くさせるコツは、【知っておきたい!】|猫の多頭飼いをする際の注意点と事前準備を解説という記事で紹介しています。参考にしてみてください。
猫の多頭飼育のメリット
飼い主さんの事前準備と先住猫の性格が許すのであれば、猫の多頭飼いにはメリットもたくさんあります。
- 留守番時の寂しさを軽減
- 社会性の向上
- 運動不足の解消
1匹で生活しているときとは異なり猫同士のコミュニケーションが生まれ、猫の社会性が育つメリットがあります。普段あまり運動しなくなった猫も猫同士が追いかけっこすることで、運動不足を解消できる可能性もあります。
飼い主さんにとっては、これまで飼ってきた猫とはまた異なる猫の一面を知ることができ、猫への理解もより深まります。
猫を多頭飼いするなら3匹まで
2匹の猫と暮らすようになった飼い主さんの中に、もう1匹なら大丈夫かもと考える方もいるかと思います。
猫の多頭飼いに関わる問題点をクリアした飼い主さんなら、3匹目を飼うことは可能かもしれません。
動物行動学的には、住まいのなかで4匹以上の猫がいると1匹は仲間はずれになることが知られています。(中略)現在ともに暮らす猫が3匹以内なら、それ以上増やさないことを強くおすすめします。
引用:「猫と住まいの解剖図鑑」-いしまるあきこ- (株式会社エクスナレッジ 2020)
もう1匹、もう1匹と増やしてしまうことで、猫の飼育崩壊や遺棄、ネグレクトにつながります。また、猫の数が増えることで、家の中に猫の社会ができあがり、いままでとは異なった問題が起きる可能性も無視できません。
うちは一軒家で、広いから大丈夫!
猫を増やすにしても、限度があります。猫を多頭飼いするにしても限度は3匹まで、と覚えておきましょう。
筆者は現在2匹の猫と暮らしていますが、もう1匹増やす予定はありません。様々な面を考慮して、2匹までが限界だからです。
「猫を何匹まで飼えるか」は飼い主さんの状況によって異なります。もう1匹飼うことはできるのか、改めて考えていましょう。
まとめ
性格の異なる複数の猫と暮らすことで、猫たちの新たな側面を知ることができます。猫の多頭飼いそのものにはメリットもありますが、多頭飼いできるか否かはそれぞれのご家庭の状況によって異なります。
まずは飼い主さんが多頭飼いに関する情報を収集、準備を徹底し、先住猫の性格を見極めなければなりません。なによりも優先すべきは、先住猫の幸せです。
飼い主さんの希望を押し付けるのではなく、先住猫ともしっかり向き合って、多頭飼いを検討してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。