
1匹で生活しているから、遊び相手がいた方が良いかな?

猫に囲まれた生活をしてみたい!
猫をすでに飼われてる方の中には、新たにもう1匹の猫を迎え入れようと検討している方も多いかと思います。しかし、猫を多頭飼いする場合には十分な準備が必要です。
特に1人暮らしで猫を飼われている方は日中のお世話が困難なため、より難易度が上がります。安易に猫を増やすと、飼い主さんの負担が大きく増え、後悔の元になる可能性も。
この記事では、猫の多頭飼いを成功させるために把握しておきたい注意点について紹介していきます。

やっぱり1匹で飼っておいた方が良かった…。
なによりも優先すべきは「先住猫が幸せに暮らせるか?」です。猫が増えることで、先住猫にも少なからずストレスがかかることを知っておきましょう。

〈プロフィール〉
- 猫の飼育歴:6年目
- 迷い猫「くぅ」、保護猫「みり」と生活中
- 猫との遊びを充実させるアイテムを模索中
- キャトログを使い続けて【13ヶ月目】

猫の多頭飼いによるトラブルについて

2020年、大和ハウス工業株式会社が猫の多頭飼いをしている飼い主さん(169件)にアンケートを実施。「〈猫多頭飼い〉一緒に世話をする上で苦労する点はありますか?(複数回答可)」という質問に対して、いづれかの多頭飼いのトラブルがあるとの回答は60%にも上りました。
トラブルの内訳として
- ケンカorいじめがある
- エサの横取りがある
- 場所の取り合いがある
- 飼い主の取り合いになる
といったものが選ばれています。
参照元:犬や猫を多頭飼いしているおうちの日常とは?多頭飼いにおけるペット同士の関係性や、住環境でのお悩みに関するアンケート

猫を飼うなら1匹でも2匹でもそんなに変わらないよね。
しかし、新たに迎えいれる猫と先住猫のそれぞれをケアしていくのは簡単ではありません。多頭飼いに関わるトラブルは事前に把握しておきましょう。
猫の多頭飼いを後悔した飼い主さんの声
たくさんの猫に囲まれて幸せそうに暮らす飼い主さんがいる一方で、多頭飼いを後悔している飼い主さんもいるのが現状です。
SNSで見られた「多頭飼いの後悔」には以下のようなものがありました。
- 2匹目の猫が暴れん坊だった
- 猫のお世話が疎かになる
- 1匹1匹の体調変化に気づきにくくなる
- トイレ管理が大変になる
朝から後から迎えた猫が暴れん坊過ぎて、多頭飼いを一瞬後悔🥺
— ちーちゃん🛁(98/150) (@s_beautytime) May 13, 2025
先住だけなら平和だったのにな。なんて思っちゃうんだよね。足跡も基本静かな子だから。
こんな事平気で思えてしまうから、人間なんて育てらんないわ。すごいよ何人も産んだ人。
猫を飼う事をオススメするけど飼うなら1匹にして欲しい。多頭飼いをオススメしないのはお世話が疎かになるから
— マリタナ(光月 星)(´lωl`) (@mari_imas72) April 17, 2024
最後の瞬間まで後悔せず猫の小さな変化に気がついて目をはなさないでほしいな。
ここから、他の猫飼いの人(特に男の子を飼っていて多頭飼育してる人)へ注意喚起
— †┏┛兎草┗┓† (@tokusa_coro) May 4, 2023
私は家に4匹いるので、恥ずかしながらおしっこが出てない事に気付くのが遅れ、愛猫を危険に晒してしまいました。
本当にあのまま失っていたらめちゃくちゃ後悔してました。普段と少しでも様子が違うと感じたら直ぐに
だとしたら猫でもいいと思う、多頭飼いするとトイレ大変なことになるから1~2匹くらいがおすすめ🐱
— ウタベーゼ (@uta_codm_) April 8, 2024
家は2匹飼ったこと割と後悔したw
多頭飼いの難しさを
— ショボリーダー統合失調症ニャン (@bibara_cat) June 26, 2025
もっと肝に銘じて置くべきだった。
家の子たちが猫生を終えるまで
もう失敗は許されない。
しかも5ニャン分、現実は写真の様な
可愛さだけで済まないと分かってる。
あと20数年猫たちに尽くす事考えたら…
本当に。
ここにあげた「多頭飼いを後悔した点」はほんの一例です。しかし、多頭飼いすることで誰しもが経験する可能性のあるものです。
猫の多頭飼いを後悔しないために知っておくべき5つの注意点

猫の多頭飼いを始める際には様々な準備が必要です。そして飼い主さんにはこれまでと違った負担がかかることを、あらかじめ理解しておきましょう。
- 子猫が増えてしまう
- 猫同士のケンカが増える
- 金銭的な負担が増え、居住スペースが減る
- 食事やトイレの管理が大変になる
- 夜の運動会の頻度が増える
子猫が増えてしまう
猫は1回の出産で複数匹の子猫を産みます。不妊去勢手術をしていない場合、あっという間に子猫の数が増えてしまう可能性も考えておく必要があります。多頭飼育を検討する場合には、不妊去勢手術は必須です。
先住猫の不妊・去勢手術をする場合は生後6ヶ月ころを目安に実施しましょう。

手術をするのはちょっとかわいそう…。
手術を行うことに迷いがあるようであれば、多頭飼育はおすすめしません。
どのような性別の組み合わせでも、先住猫の避妊・去勢手術を検討する必要がある。
猫同士のケンカが増える
先住猫が他の猫に対して警戒心が強すぎたり、オス猫同士の組み合わせであったりすると、縄張りを争いが起きる可能性が高くなります。
特に不妊去勢手術をしていない猫の場合、縄張りを守ろうとする意識が強いため、スプレー行動や壁への爪とぎなど縄張りを主張する行動が増えることが予想されます。
これらの行動は猫同士のトラブルだけでなく、飼い主さんの負担を一気に増加させてしまう点が問題です。相性が良くない組み合わせには、以下のようなものがあります。
- 高齢猫と子猫
- オスの成猫同士
「先住猫との相性が良いか?」を最優先に考える。
金銭的な負担が増える
猫が増えることで飼い主さんに直接のしかかるのは、金銭的な負担の増加です。
- 食器やキャリーケース、ケージなどの出費がかかる
- 必要なフードの量が増える
- トイレを増やし、猫砂の消費量が増える
- 多頭飼いに対応できるキャットタワーが必要
- 必要なおもちゃの数が増える
- ワクチン接種や健康診断などの医療費が増える
少なくとも、これだけの費用面での負担がかかります。
追加で必要なものをリスト化し、費用面でどのくらい負担が増えるか考えておく。
食事の管理が大変になる
猫が増えることで、食事の管理が一気に複雑になります。先住猫の食べていたフードを新入り猫が素直に食べてくれるとは限りません。また、年齢が大きく異なる猫同士の場合はフードを使いわける必要もあります。
猫の食事問題としては、早食いや横取りが挙げられます。我が家の猫「くぅ」はご飯を横取りされないように、早食いしてしまうことが増えました。結果として、フードの吐き戻しが増え、2匹同士が見えないように離して食事させていたことがあります。
- それぞれの猫に合ったフードを見つける
- フードの横取り、早食い
- (留守番時など)自動給餌器を増やす必要性がある
- 食事を別々の場所で行う
- 早食いに伴う吐き戻し
それぞれの猫に合った食事管理、お互いが邪魔をせず食事できる環境が必要になる。
夜の運動会の頻度が増える
夜の運動会は日中溜まった猫たちのエネルギーがうまく発散できないことで起こりやすくなります。解決方法として寝る前に猫としっかり遊び、ストレスを発散させることが重要です。
多頭飼育になることで、どちらか一方が十分に遊べず、エネルギーが発散されないという状況が起こりやすくなります。片方が夜運動会を始めてしまうと、もう一方もつられて大騒ぎになってしまうことも多いです。
猫たちの遊び時間を確保し、猫それぞれの好きな遊び方やおもちゃを探す必要がある。
猫の多頭飼いをするために必要な準備

猫をもう1匹増やしたいと思った飼い主さんがすべきことは、現在の状況の確認です。以下のポイントを確認しておきましょう。
- 先住猫の不妊・去勢手術は実施しているか?
- 先住猫は他の猫を受け入れられる性格か?
- 現在の住居スペースで猫を増やす余裕があるか?
- 猫を増やす経済的な余裕があるか?
これらの項目を事前に確認しておくことで、後悔することなく複数の猫との楽しい生活を送ることができるようになります。
猫の多頭飼いに詳しい手順や猫同士を仲良くさせるコツは、【猫の相性を見極めよう!】|猫の多頭飼いを始める際の注意点と事前準備を徹底解説という記事で紹介しています。参考にしてみてください。

猫を多頭飼いするなら3匹まで
2匹の猫と暮らすようになった飼い主さんの中に、もう1匹なら大丈夫かもと考える方もいるかと思います。
猫の多頭飼いに関わる問題点をクリアした飼い主さんなら、3匹目を飼うことは可能かもしれません。
動物行動学的には、住まいのなかで4匹以上の猫がいると1匹は仲間はずれになることが知られています。(中略)現在ともに暮らす猫が3匹以内なら、それ以上増やさないことを強くおすすめします。
引用:「猫と住まいの解剖図鑑」-いしまるあきこ- (株式会社エクスナレッジ 2020)
しかしながら「もう1匹、もう1匹」と増やしてしまうことで、猫の飼育崩壊や遺棄、ネグレクトにつながります。

うちは一軒家で、広いから大丈夫!
猫を多頭飼いするにしても限度は3匹までと覚えておきましょう。
まとめ 猫の多頭飼いの現実を知ろう!
SNSなどで仲良く寄り添う姿を見ていると、「うちにももう一匹迎えたい」と思わず多頭飼いをしたくなってしまいますよね。

我が家も「みり」が来てから賑やかになりました。
実際、猫たちの相性が良くて、うまくいけば癒しや楽しさが倍になるのも事実です。一方で、「思ったより大変だった」「後悔している」という声も少なくありません。
多頭飼いで後悔する一番の原因は、理想と現実のギャップです。先住猫と新入り猫の相性が合わなかったり、お世話や掃除の負担が倍以上に感じられたり。中には、先住猫のストレスが原因で体調を崩したり、飼い主の手が回らず、どちらかを手放す選択を迫られたケースも。
まずは飼い主さんが多頭飼いに関する情報を収集、準備を徹底し、先住猫の性格を見極めなければなりません。なによりも優先すべきは、先住猫の幸せです。
飼い主さんの希望を押し付けるのではなく、まずは先住猫としっかり向き合って、多頭飼いを検討してみてください。