「最近、猫たちの様子がいつもと違う」と感じたことはありませんか?
部屋の模様替えをしたら、猫がソワソワしたり毛繕いが増えたな。
猫たちはストレスを抱えても、言葉で伝えることができません。飼い主さんが猫たちのストレスサインに気づき、猫たちのストレスの原因となっているのもを見つけてあげることがとても重要です。
この記事では、猫たちがストレスを感じる原因や、具体的なストレスサインについて詳しく解説します。
「どうすれば猫のストレスに気づけるのか」「ストレスの原因を取り除くにはどうすればいいのか」といった疑問へのヒントをご紹介します。
まずは猫たちがどのようなことにストレスを感じるのか知ることから始めましょう。
〈プロフィール〉
- 猫の飼育歴:5年目
- 迷い猫の「くぅ」、保護猫の「みり」と生活中
- 猫と暮らすためのヒントをご紹介
- 猫たちとの遊びを充実させるためのアイテムを模索中
猫とストレスの関係
猫の【ストレス】を考える際にまず知っておきたいことは、猫とヒトでは見えている世界が違うということです。
猫の聴覚や嗅覚はヒトと比べものにならないくらい優れています。飼い主さんにとっては「ちょっとした物音」「気持ちが安らぐ匂い」でも、猫からみると「恐怖を感じる騒音」「危険を感じる臭い」になってしまうことがあります。
猫がストレスを感じるのは、音や匂いだけではありません。まず「何が猫にとってストレスになるのか?」を知ることから始めましょう。
猫はストレスを感じると転位行動をする
猫たちは生活の中で感じたストレスをちょっとずつ発散しています。
気持ちよく眠っていたところを、突然の来客に起こされた、飼い主に望まぬ抱っこをされて拘束された、ジャンプに失敗した、このようなどちらかというと一時的に感じるストレスの際、猫は変わった行動をとります。急に毛づくろいをしだしたり、大きなあくびをしたり、爪とぎをしたりするのです。
引用:猫脳がわかる! 今泉忠明 文春新書
毛づくろいやあくび、爪とぎは、猫たちにとってストレスを発散させる行動でもあるのです。このような行動は転位行動と呼ばれます。
抱っこした後に、すぐ爪とぎをすることはありませんか?
猫の様子を日々チェックすることが、「どんなことが猫にとってストレスなのか?」見つけるヒントです。
猫がストレスを感じたときのサイン
猫がストレスを感じると、日常の行動に変化がみられます。特に以下のような4つのサインに気づいた際には、要意注意です。
- 食欲が減少する
- 毛づくろいが過剰になる
- 粗相が増える
- 攻撃的になる
- 行動パターンが変化する
猫がみせるサインの中には病気が原因となっている場合があります。ストレスの原因と考えられるものを除いても猫の行動が改善しない場合には、一度動物病院を受診しましょう。
食欲が減少する
食欲の減少は、猫がストレスを抱えた時にみられる重要なサインの一つです。食欲不振が続くと、体重減少や栄養不足、脱水のリスクが高まります。
- 普段の食事量が減る
- おやつをあげても無視する
- 食事を完全に拒否する
- 水を飲む量が減る
食欲の減少は他の病気の可能性もあるため特に注意が必要です。
毛づくろいが過剰になる
猫がストレスを感じていると、頻繁に毛づくろいをしたり、特定の部位を舐め続けたりすることがあります。過剰な毛づくろいは、ストレスや不安、退屈の表れである場合が多いです。
また、皮膚の痒みや痛みが原因の可能性もあるため注意が必要です。毛づくろいの増加が長期化すると、皮膚トラブルや脱毛につながる恐れがあります。飼い主さんは猫の様子をよく観察し、過剰な毛づくろいが続く場合は適切に対処しましょう。
粗相が増える
トイレ環境がきれいに保たれているかどうかは、猫にとって重要な問題です。
汚れていたり、好みのトイレでなくなってしまうことで、おしっこやうんちを我慢してしまうことがあります。結果として、トイレ以外の場所で粗相してしまうことがあるため、トイレ環境には気をつけましょう。
猫のトイレの習慣の変化は、単なる困った行動ではありません。猫からのSOSのサインである可能性があるため、早急な原因特定と適切な対処が大切です。ストレスの原因となるものを取り除いても粗相が止まない場合は、獣医さんに相談してみることをおすすめします。
攻撃的になる
猫が飼い主さんに対して攻撃的になる場合は、何らかのストレスを感じているサインでもあります。
猫は非常に警戒心の強い動物なので、ちょっとした物音にびっくりしたり、強い恐怖を感じたりすることがよくあります。(中略)ときには強い恐怖を感じたせいで、一瞬にして興奮や攻撃のスイッチが入ることがあります。
引用:猫の困った行動予防&解決ブック 藤井仁美 緑書房
猫たちが急にパンチしてきたり、噛まれると飼い主さんもびっくりしてしまいますよね。しかし、その行動の裏には飼い主さんが知らず知らずのうちに、猫にストレスを与える可能性があります。
猫たちが興奮している場合はそれ以上刺激しないように、そっとしておきましょう。
行動パターンが変化する
猫たちは1日の大半を睡眠に充てていることが多く、睡眠時間は1日平均12〜16時間とも言われています。猫たちがストレスを抱えている状況になると、行動パターンが変化することがあります。
普段なら歩き回っている時間なのに、寝てばっかり…。
普段なら起きている時間帯なのに寝ていたり、睡眠時間そのものが増減するなど、1日の生活リズムの変化にも注意が必要です。【猫の睡眠時間も計測できる!】|Catlogの新機能「睡眠スコア」について解説という記事も参考に
猫の行動を記録するには【キャットログ】がおすすめ!
猫がストレスを抱えていないかチェックするには、日々の行動を記録することが重要です。猫の代表的なストレスサインを記録するには、以下の2つの方法があります。
- 飼い主さんが猫の行動をチェック・記録する
- キャットログで行動を記録する
飼い主さんが猫の行動をチェック・記録する
基本は飼い主さんの目で猫の行動を記録することをおすすめします。カレンダーアプリやメモを使って、いつ、どんなことがあったか記録しておきましょう。
「食欲の増減」や「粗相が増える」、「攻撃的になる」といった項目は飼い主さんが記録することで、猫の行動変化に気づくことができます。また、動物病院に行った際に獣医さんにどんな変化がいつからあったか伝えることで、診療をスムーズに進めることができます。
キャットログで行動を記録する
飼い主さん自身が記録する方法のデメリットは、「毛づくろいの増加」「行動パターン」といった変化に気づきにくい点です。
猫が毛づくろいしている時間なんてわからないよ…。
そんな時におすすめなのがキャットログと呼ばれる、猫用のウェラブルデバイスです。キャットログでは、毛づくろいの時間や行動パターン(睡眠時間の変化)といった項目が自動で計測でき、スマホアプリでいつでも確認できます。
他にも運動時間や食事の回数も記録してくれるので、猫たちの健康管理の強力なパートナーになってくれます。キャットログについては、【購入前に要チェック!】|キャットログの便利機能とメリット・デメリットを徹底解説という記事で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
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また、キャットログには猫トイレの下に設置して、おしっこやうんちの回数、体重測定してくれるキャットログボードもあります。キャットログの強みは、猫の行動管理とトイレや体重管理を1つのアプリでまとめて管理できる点です。アプリにはメモ機能もあるので、粗相や食欲の変化も一緒に記録することができます。
キャットログボードについてはCatlog Board2(キャットログ ボード)をレビュー!|6つのおすすめポイントという記事で解説しています。
猫がストレスを感じる原因
猫はちょっとした変化にもストレスを感じてしまう、繊細な生き物です。猫がどんなことにストレスを感じるのか学ぶことが、猫のストレスを減らす第一歩になります。
- 室内環境の変化
- 騒音や大きな音
- 飼い主さんとの関係
- 運動不足
- その他のストレスの原因
室内環境の変化
部屋の中は猫たちにとっては自分の縄張りであるため、ちょっとした変化にも敏感です。模様替えをしたり、飼い主さんの生活環境が変わることでストレスを感じる場合があります。
特に引っ越しなどで住む場所が変わることは、猫にとって大きなストレスです。
- 引っ越しや部屋の模様替え
- 新しい家族や同居人が増える
- 他のペットが増える
- 運動不足
- 飼い主さんの長期不在になる
- 留守番でペットホテルに預けられる
環境の変化によるストレスを減らすためには、猫が安心できる場所を確保してあげることが重要です。急激な変化を避け、徐々に新しい環境に慣れさせると効果的です。
騒音や大きな音
猫は騒音や大きな音に敏感です。騒音がストレス源となり、不安や恐怖を引き起こす場合があります。
- 工事現場や交通量の多い道路からの騒音
- 掃除機やブレンダーなど大きな音のする家電
- 大音量の音楽やテレビの音
- 花火や雷などの自然現象による大きな音
- 来客や子どもの騒ぐ声
- 他の動物(犬など)の鳴き声
音に対する反応は猫によって様々です。全く気にしない猫もいる一方で、音にびっくりして隠れてしまう子もいます。猫の性格をしっかり把握してあげることも重要です。
飼い主さんとの関係
飼い主さんとの関係は、猫のストレスに大きく影響します。飼い主さんがお仕事で日中不在となる場合、猫と遊ぶことで積極的なコミュニケーションが求められます。
- 過干渉や無視
- 不規則な生活リズム
- 感情的な叱り方
- 長期不在や頻繁な外出
- 香水や洗剤の匂いの変化
- 飼い主の体調不良や精神状態の変化
飼い主さんの行動の一つ一つが猫にストレスを与える可能性があるため注意が必要です。一緒に遊んでほしい時間がある一方で、1人でゆっくり休みたい時間もあります。「猫たちが何を望んでいるのか?」を考えながら接するようにしていきましょう。
運動不足
室内で生活する猫にとって運動不足は健康に大きな影響を与えるだけでなく、ストレス要因の一つにもなります。高い場所が好きな猫のために上下運動のできるキャットタワーを用意したり、飼い主さんと遊ぶ時間を十分に確保することが求められます。
- 運動するスペースが狭い
- 飼い主さんと遊ぶ時間が少ない
- 遊びのバリエーションが少ない
- 他のストレス要因があり、活動量が低下している
運動不足がストレスになる一方で、騒音や飼い主さんとの関係といった他のストレス要因が運動不足の原因となることもあります。運動不足になってしまう原因は多岐にわたるので、一つ一つチェックしていくことが重要です。
その他のストレスの原因
猫たちがストレスに感じることには個体差が大きいです。爪切りが問題ない子もいれば、絶対に手に触らせてくれない子もいます。日常の生活の中で「これは大丈夫だな」「これは嫌なんだな」と、その子独自の情報を少しずつ積み上げていきましょう。
- 好みでない猫砂や猫トイレが汚い
- 爪切り
- 急なフードの変更
- 他の猫との縄張り争い
- 季節の変化や気温の急激な変動
- 動物病院への通院や服薬
猫のストレス解消方法
猫たちをストレスから守るには何が必要なの?
「猫が何にストレスを感じるか」がわかった後は、その対策を実行していきましょう。猫のストレスを解消するには、【室内環境の改善】と【猫とのコミュニケーションの見直し】が重要となります。
- 室内環境を見直して改善する
- 安全で落ち着けるスペースを確保する
- キャットタワーやおもちゃを使って運動不足を解消する
- 適度なコミュニケーションの時間を持つ
運動不足を解消するためには、猫たちが1日の中でどのくらい運動しているか把握することも重要です。
毎日の行動を記録するのは大変…。
猫たちの行動を管理するにはキャットログがおすすめです。キャットログはストレスサインをみつける際に役立つだけでなく、ストレス解消のための運動時間を管理するのにも有効です。【うちの猫は運動足りてる?】|キャットログを使った運動不足チェック方法を解説という記事で詳しく紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。
室内環境を見直して改善する
猫のストレスを解消するには、まずは室内環境を見直すことが重要となります。
- 静かで落ち着ける場所に猫用のトイレを設置する
- 自由に使えるように爪とぎの設置場所を確認する
- 窓から外が見えるようにし、適度な刺激を与える
- 猫用の棚やキャットタワーなどの高い場所を用意する
猫によってストレスを感じるものは異なります。外を見たい猫がいる一方で、野良猫などがいると逆にストレスを感じる猫もいます。
室内環境の改善には、「これだけしておけば完璧!」というものはありません。日々の生活環境の中で猫のストレスの原因をみつけながら、改善を続けていくことが大切です。
安全で落ち着けるスペースを確保する
気をつけてはいるけど、掃除とか音を全く出さないのは難しいな…
猫たちは音に敏感なので可能な限り静かな環境を作ってあげたいところです。しかし全く音を立てずに生活したり、来客が全くいない環境を作るのは難しいですよね。
ストレスの負担を減らすためには、猫にとって安全で落ち着けるスペースの確保が重要となります。
- キャットタワーなどの高い場所や隠れスペースを作る
- 柔らかいベッドや毛布を用意する
- 食事スペースと休息スペースを分ける
- 他のペットや子どもが近づきにくい場所を選ぶ
キャットタワーやおもちゃを使って運動不足を解消する
運動不足は猫にとってストレスの原因となります。特に室内飼いの猫は運動不足になりがちなので、適度な運動は健康維持に欠かせません。
- キャットタワー
- 猫じゃらし
- ボール遊び
- パズルフィーダー
- 段ボール箱
- トンネル
同じおもちゃを使い続けると飽きてしまうことがあるため、定期的なおもちゃのローテーションが大切です。猫じゃらしだけを使うのではなく、トンネルやダンボールと組み合わせたり、階段やキャットタワーを活用すると遊びの幅がひろがります。
猫と遊ぶことは運動不足の解消だけでなく、猫とコミュニケーションを取るためにも大切な時間です。
適度なコミュニケーションの時間を持つ
猫と適度にコミュニケーションをとることは、ストレス解消にも効果的です。猫と接する時間を増やすことで、体調の変化にも気づきやすくなります。
- おもちゃで遊ぶ
- ブラッシングをする
- 撫でたり話しかけたりする
- おやつを与えながら触れ合う
コミュニケーションをとる際に注意が必要な点は、猫のペースを尊重することです。無理に触ったり抱っこしたりせず、猫の好みや性格に合わせてコミュニケーション方法を調整しましょう。
猫が休んでいるときは邪魔をしてはいけません。短時間でも定期的に触れ合う時間を作るのがおすすめです。
猫が遊びを求めてきた際に遊んであげるなどのコミュニケーションをとることで、猫にとってより快適な時間を過ごせます。
ストレスがきっかけとなる主な病気
猫がかかる病気の中にはストレスがきっかけとなる病気も多く存在します。ストレスが原因となる代表的な病気の一部をご紹介します。
- 特発性膀胱炎
- 猫ウイルス性鼻気管炎
- 猫伝染性腹膜炎
特発性膀胱炎
特発性膀胱炎は猫の下部尿路疾患の中で最も多い病気です。多くの場合、原因は不明ですが、ストレスが主な要因の一つと考えられています。
- 頻尿
- 血尿
- 排尿時の痛み
- 排尿困難
特発性膀胱炎は若い猫に多く発症します。治療には環境改善やストレス軽減が重要で、重症の場合は薬物療法を行います。再発しやすい傾向があるため、注意が必要です。予防には適切な水分摂取が効果的です。
1人暮らしで猫を飼っている場合、猫のストレスに気をつける必要があります。猫との適度なコミュニケーションを心がけ、快適な環境づくりに努めましょう。
猫ウイルス性鼻気管炎
猫ウイルス性鼻気管炎は、ヘルペスウイルスが原因の上気道感染症で、猫の健康に大きな影響を与えます。
- 鼻水
- くしゃみ
- 目やに
- 発熱
ストレスや環境の変化があると発症しやすいため、気をつけましょう。感染力が強いため、複数の猫を飼っている場合は注意が必要です。重症化すると、食欲不振や呼吸困難を引き起こす場合があります。治療は主にインターフェロンによる対症療法が行われますが、ストレスを受けることで再発する可能性があります。
予防には、ワクチン接種が効果的です。慢性化すると鼻炎や副鼻腔炎の原因になる可能性があるため、注意が必要です。
猫伝染性腹膜炎
猫伝染性腹膜炎は猫の命に関わる深刻な病気で、猫コロナウイルスが変異して起こります。若い猫がかかりやすく、複数の猫を飼っている環境でリスクが高まります。主な症状は、以下のとおりです。
- 発熱
- 食欲不振
- 体重減少
- 腹水の貯留
猫伝染性腹膜炎は予後が良くありません。ただし、早期に発見して治療を行えば、猫の生活の質を改善できる可能性があります。猫の様子に異変を感じたら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
まとめ:猫のストレスチェックで環境を見直そう
猫は小さな変化も敏感に感じ取り、ストレスが溜まると健康や行動に影響が出ることがあります。普段の生活の中で、猫の様子を観察し、食欲の低下や毛づくろい時間の増加など、ストレスサインを見逃さないことが大切です。
ストレスを軽減するためには、猫が安心できる環境を整えたり、飼い主さんとの遊びやスキンシップをとる時間を増やすことも重要です。猫がストレスを感じていることに早めに気づいてあげることで、猫の心身の健康を保つことができます。
この記事を参考に、猫たちと暮らす環境を見直したり、ストレスの少ない生活を作っていきましょう。気になる変化があれば、無理せず獣医師さんに相談することも重要です。